【恋と嘘】考察:莉々奈(りりな)か、美咲(みさき)か、どっちを選ぶのか。芽生える新たな嘘

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アニメ化され話題の『恋と嘘』だが、本記事では主人公の根島由佳吏(ねじまゆかり)、ヒロインの真田莉々奈(さなだりりな)、高崎美咲(たかさきみさき)の3者の関係について考察していく。

恋を 愛を 嘘を

1巻の印象的なナレーション『恋を 愛を 嘘を』。これはアニメでも既に放送された部分なので原作未読者でもご存知のはずだ。

恋:仁坂悠介

まず、恋に該当するキャラとして描かれる仁坂だが、これは双方向なり得ない一方的な好意なので”恋”なのだろう。この作品が同性愛に転ぶことはまずあり得ない。今後の展開として、いずれ彼の前にも本当に好きになれる女性が現れるだろう。

嘘:高崎美咲

次に嘘に該当する美咲だが、これは本作の鍵を握る美咲の嘘。美咲が、由佳吏や莉々奈と同じくらい大切なものだと語る”守りたいもの”。それを守るための嘘だ。今後の展開の鍵を握る最重要ファクターといってよい。6巻までにいくつか嘘を解くための要素は散りばめられているものの、核心には至っていない。

愛:真田莉々奈

最後に愛に該当する莉々菜。恋とは違い、双方向の好意・相手を思いやる気持ち。詳しくは後述するが、最初に交わした約束により、自身を縛り付けているのが彼女(および由佳吏)の現状なので、今後の展開が非常に気になる。最新6巻まで読んだ時点では、彼女が本当にかわいそうで心苦しい。

言わざる

美咲は、自分は政府通知で選ばれていない相手だから、自分と一緒になっても幸せになれない(守りたいものに関係している)からと、「由佳吏と莉々奈が結ばれてほしい」「ネジのことを好きになってほしい」と語ってはいるが、莉々菜に対して「それは(由佳吏に対する)恋心だよ」と、助言をすることを避けてきた。莉々奈がその恋心に気づいてしまうことを恐れてきた。自分の中で意思を固めきれない少女としての一面が垣間見える。

約束を破るということ

作中で”約束”という表現が使われているわけではないが、この表現が適切ではないだろうか。莉々奈と由佳吏が出会った当初から、莉々奈は美咲との恋を応援しているし、その恋が実るようにと行動を徹底してきた。初めて出来た大切な友達として、美咲に幸せになってほしいと願っていることは紛れもない事実だ。しかし、その約束が彼女にとっての足枷となり、心のままに恋愛ができないでいる。さらにいえば、同様に由佳吏にとっても、である。

莉々奈はとても真面目な性格であり、何事に対しても真剣に取り組む女性だ。そんな彼女が、自ら提案した約束を破ることなど、彼女ひとりでは絶対に不可能であろう。由佳吏や美咲、その他いろいろな要素が上手く混ざり合って初めて破ることができる約束だ。この約束を破る過程は必ずドラマチックなものになると確信している(仮に最後に結ばれるのが美咲だとしても、本心を伝えるという行動を起こすためには、どちらにせよ約束を破る必要がある)。莉々奈も由佳吏もお互いに対する恋心は一切ないと言っているが、それが本心ではないことは誰の目から見ても明らかであり、6巻ではついにナレーション(由香里の語り)によって切なすぎる確定事実となる。

嘘もつき続ければ真実になる

美咲のみならず、莉々奈と由佳吏も嘘を抱えることにー

6巻で、莉々奈はついに、由佳吏と美咲の恋を成就させるために、政府通知破棄という判断を下す。その決断は彼女にとって、約束を貫き通すための至極当然の決断であったが、同時に大事なものを隠してしまう決断でもある。由佳吏もそれに同意し、2人はいよいよ通知破棄に向けて動き出すわけだが、その決断に至るまでの2人を見ていると、本当にそれが君達の望んだことなのか、と言わずにはいられない。

2人で決断した後、莉々奈は、破棄後の再演算された相手とのキスの事前練習として、由佳吏とキスをする。そもそもだが、莉々奈は練習のためなんかにキスを要求するような子ではないということを忘れてはならない。

以下、キスをする際のナレーション(由佳吏の語り)よりー

これが恋じゃないとしたら
人を好きになるって何なんだろう

この時の感情を 二人
あえて見ぬふりをした

嘘もつき続ければ真実になると
その恋を見逃した先に守りたいものがあるからと

たぶんその選択は正しくて
そして決定的に間違っていた

もう確定ですよね。
お互いに相手のことを想っている。

守りたいもの(約束)をゴールとする共通目的がある以上、2人は今抱えている感情を『嘘』として見逃し、全く恋心がないということを『真実』にしなければならない。約束という共通目的を果たす意味ではその選択は正しいが、2人の感情を考慮すれば決定的に間違っている。

7巻に収録されるであろう連載中の内容では、仁坂から莉々奈のことを聞かれると、とても苦しそうな表情を浮かべ俯き、何も喋れなくなってしまう由佳吏の様子が描かれている。

また、上記語りに「これが恋じゃないとしたら、人を好きになるって何なんだろう」とあるが、ファンブックの作者インタビューによると、『恋と嘘』という物語のメインテーマは「人をすきになるってどういうことだろう?」とのこと。

月が綺麗

その後のセリフ
莉々奈「……月が綺麗ね…」
由佳吏「……そうだね」

もはやこれは莉々菜からの告白と言っていい。「月が綺麗ですね」といえば、夏目漱石による「I love you」 の文学的意訳と言われており、とても有名だ。このシーンでは2人の恋人繋ぎにフォーカスが当てられている点にも注目したい。

最強のヒロインと最強の美少女

ファンブックの作者インタビューに「最強の美少女と最強のヒロイン」という項目がある。作者によると、本作においては、真田莉々奈を「私が考える最強のヒロイン」として、高崎美咲を「私が考える最強の美少女」として描いているらしい。

今後の展開について

恐らく政府通知はこのまま本当に破棄するのではないかと思う。一回破棄されてからのほうが、ドラマとしていろいろなシーンが輝きを増すような気がするし、葛藤もさらに大きくなる。決定的に間違っていた行動とどう向き合い、最初に交わした約束をどのようにして乗り越えていくのか。そういった感情の動きに注目していきたい。7巻が待ち遠しい。

【恋と嘘】考察:莉々奈(りりな)か、美咲(みさき)か、どっちを選ぶのか。芽生える新たな嘘” に対して4件のコメントがあります。

  1. 匿名 より:

    りりな好き

  2. 匿名 より:

    絶対りりなと結ばれてほしい。りりなのネジに対する気持ちは本物の愛だと思う

  3. より:

    リリな可愛すすぎませんか?
    ツンデレな所もまたいいですよね

  4. 匿名 より:

    莉々奈可愛いすかざて…ツラい

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